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"U" は "Upper Class"(上流階級)を意味し、"Non-U"
は "Non-Upper Class"(非上流階級)を意味する。この用語法は、1956年、英国バーミンガム大学のロス教授が、その後の英国における社会言語学に大きく影響を与えることになった論文の中で初めて使用された。その論文のタイトルは"U
and Non-U −An Essay in Sociological Linguistics"で、言語の発音や言葉の選択に関して、英国社会を『上流階級』と『そうでない者』とにばっさりと切り捨てた。くしくもチャーチルが英国民は富者と貧者に二分されていると評した時期と重なっている。その著書の中で、ロス教授は1956年当時ですでに「上流階級とそうでない者との区別は言語だけである」と述べている。ヴィクトリア女王時代やエドワード王時代と異なり、教育の程度や清潔さ、財産を基準とする区別はほとんど意味が無くなったとしている。同様に、中産階級の台頭や民主主義の発達に伴い、支配階級としての役割も漸減していき、大衆の上昇志向によって、若干を除き、生活スタイルでの相違も大きなものではなくなったと主張している。しかし、こうした状況にあってもなお『上流階級』と『中流・労働者階級』とを隔てる大きな壁が存在しており、それがアクセントや言葉の選択、文章構造であるとロス教授は主張しています。習慣として長年を掛けて培われてきたものは身に染みつき、なかなか離れないのである。以下にロス教授が提唱した
U と Non-U を紹介するが、しかし、その後、ロス教授の著書が有名になることで、Non-U
の人々が意識して U 言語を用い始め、皮肉にも U と Non-U の区別がさらに見えにくいものとなった。現在ではかくのごとく分類がまず意味を為していないことを付記しておく。 |
Vocabulary |
意 味 \ 区 分 |
U-Speakers |
Non-U Speakers |
風呂に入る |
have one's bath |
take a bath |
バス |
bus |
coach |
掛け布団 |
counterpane |
coverlet |
薬味入れ |
salt-cellars
pepper-pots
etc. |
cruet |
教養のある |
civilised |
cultivated |
もう一杯いかが? |
Have some more tea? |
How is your cup? |
自転車 |
bike or bicycle |
cycle |
昼食 |
lunch or luncheon |
dinner |
夕食 |
dinner or supper |
evening-meal |
正装 |
evening dress |
dress-suit |
野菜 |
vegetables |
greens |
家 |
house |
home |
乗馬 |
riding |
horse-riding |
病気の |
sick |
ill |
(トランプの)ジャック |
knave |
Jack |
居間 |
hall or dining-room |
lounge |
気の狂った |
mad |
mental |
鏡 |
looking-glass |
mirror |
ノート |
writing-paper |
note-paper |
(相手の言葉が聞き取れなかった時) |
What? |
Pardon? |
(謝罪する時) |
Sorry. |
Pardon. |
(ゲップが出てしまった時) |
(Silence) |
Pardon. |
ジャム |
jam |
preserve |
香水 |
scent |
perfume |
ラジオ |
wireless |
radio |
ナプキン |
table-napkin |
serviette |
勉強する |
work |
study |
教師 |
master or mistress |
teacher |
トイレット・ペーパー |
lavatory-paper |
toilet-paper |
お金持ち |
rich |
wealthy |
プディング(菓子) |
pudding |
sweet |
入れ歯 |
false teeth |
dentures |
電報 |
telegram |
wire |
英国 |
England |
Britain |
スコットランドの |
Scotch |
Scottish |
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